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濃い煙が一面に立ちこめている

 

目の前の木立ちの枝に動くものを見つけた。リスのような小動物だろうか、僕は目をこすりながら近づく。

 僕がそこに見たのは、ジョジョだった。僕は焼け落ちた〈緑橋〉のたもとで、再びジョジョに出会うことになった。ジョジョは何か黒っぽい布の端を持って、忙しそうに動いていた。

 「やあ」

 最初から僕だということが分かっていたように、ジョジョは気軽に呼びかけてきた。

 「どこにいたんだよ、今まで」

 そんな風に、僕は尋ねた。

 「僕のことより新聞部こそどうしたの? そんな格好になっちゃって」

 そう言われて僕は改めて自分の様子を点検した。白いシャツは煙りにうす黒く汚れ、あちこちが焦げ、大きく焦げているところは裸の肌がむき出しになっていた。裾は全部ズボンからはみ出してそのふちは焼け、もともと黒いズボンもシャツと同じように焼けただれて、全体が固まっている。運動靴はもう靴なんていう状態ではなく、燃え残った布とゴムのかたまりにすぎなかった。僕の身体自体が骨と肉の固まりになってはいなかったのが不思議なくらいだった。

 ジョジョは、こんな風にしゃべった。

 「あの時、見たでしょ? 見えていたでしょ? 旗が舞っていたよね。あの旗が飛び出した時、僕は旗と一緒に、空に向かって跳んだんだ。夜の貯水池公園が回っていたよ。町もゆっくりと回っていた。まるでメリーゴーラウンドみたいに。〈緑橋〉だって回っているのが僕にははっきりと見えたよ。でもあの〈緑橋〉はすっかりなくなってしまった」

 たしかに〈緑橋〉は、さっきまでそこにあった〈緑橋〉は、跡形もなく消え去っていた。その橋がかかっていた場所は、ただぽっかりと開いた谷間で、それはあっけないほどささやかな谷間だった。

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